| 6.訪問した学校の概況 |
| (1)University of California,Irvine |
| 日本からもたくさんの留学生が訪れている。語学研修している人や専門分野の学習をしている人が集まっている。語学研修ではプレスメンテストによってクラス分けされ、10週単位で授業が行われている。仕事をしながら(学費のため)勉強している学生もおり、早朝から夜遅くまで授業が組まれ、勉学に励んでいるという。図書館では、多くの学生が資料やパソコンに向かい、真剣なまなざしで学習していた。キャンパスは自由な雰囲気と、学生のエネルギーが満ちていた。 |
| (2)Foxborough Elementary
School |
ホストマザーであるサンディのお孫さんが通っている。セキュリティが厳重で、一般の人は立ち入ることができないため、サンディの娘、コリーンに案内をしていただいた。子供たちは安全面の理由から、ほとんどが保護者に車で送迎してもらっている。(他の小学校でも、ほとんどは送迎してもらっているが、中には自転車や何とスケートボードで通っている児童もいる。)スクールバスも走っているが、1回乗るごとにお金がかかることから、乗っている子供は少ない。
朝、7時45分から始まる。(ロスの朝は早く、夜静かになるのも早い。)この小学校は、一つの建物の中に教室があるのではなく、教室一つ一つがプレハブになっている。登校した子供から、バッグの学習用具を出し、外のカバンかけにかけて中に入る。
4年生の教室を見学した。一人一人が順番に保護者のボランティアと一緒にリーディングテストを行っていた。また、一斉学習では、スペルチェックの学習をしていた。授業によっては能力別にクラス分けされているので、子供たちはクラスによって教室を移動する。教室の外に線が引いてあり、そこで整列してから移動していた。人数確認をしっかり行っている一面が見られた。
滞在期間中に感謝祭ランチがあり、4年生担任のモンゴメリ先生に招待され、参加する。サンクスギビングデーはアメリカ人にとっては、1年で一番大きな行事となっている。そのため、普段は家からお弁当を持ってきたり、カフェテリアで買ったりしているが、この日は特別にごちそうが振舞われた。食事の他に、クッキーやマフィンなどのお菓子もあり、子供たちは大喜びであった。ここでも、保護者や祖父母がボランティアで参加していた。また、サンクスギビングデーの週は、まる1週間学校が休みとなる。そのため、この小学校では、学年の始まりを8月中に行って、授業日数を確保している。(小学校によっては、2日のみ休みにしているところもあり、学校区によって対応が違う。)
4日目の視察で1年生の教室へ行く。登校してから、出席確認と健康観察を行う。次にランチを買う子供の人数を確認し、それを子供が事務室に報告しに行った。(ほとんどの子供は、家からサンドイッチなどを持ってくる。買う場合は、自分のIDナンバーを入力すると、引き落としされる仕組みになっており、現金のやりとりはここでは行わない。いくつかの種類から選んで合計約200円になる。)宿題の確認をクラスチャート(名簿)にシールを貼って行っていた。それからカレンダーの学習をした。曜日・月日は何と言うのかなどを学習していた。そして誓いの言葉をみんなで言い、歌を歌って朝の会のようなものが終わった。
学習では、書き方の学習を見学した。綴り、3単元S、大文字の表記など間違いを見つけながら正しく直していく方法だった。同時に保護者のボランティアが言葉の確認テストを行った。フラッシュカードを見せて、それを発音していく。合格すると、カルテに記入していき、次に憶える内容を渡す。また、リーディングでも、本の内容について質問をして、それについて答えるという確認テストを行っていた。ボランティアといっても、子供の学習に密接に関わり、重要な役割をしている。
次に音楽の授業を見学した。先生はその学校の教員ではなく、外部から来ている。先生の講師料はPTAで出しているそうである。みんなで歌を歌い、踊ったりゲームをしたりして、楽しく学習していた。
また4年生の教室へ行き、折り紙を教えた。アメリカの子供たちは、折り紙にとても興味を示した。みんな折り紙は知っているけど、ほとんどやったことがないようだった。子供たちは初めて折る鶴に、私は、英語で伝えることに悪戦苦闘しながらなんとか折り鶴を完成させることができた。先生からの提案で4年生のクラスと愛本小の5年生で交流することになった。 |
| (3)Aliso Niguel High School |
| Foxborough
Elementary Schoolの近所にある高校で、見学の交渉をしていなかったのだが、直接行き、見学が可能か聞いたところ、4人の高校生が校内を案内してくれた。ケイタリングや自動車の修理など、就職を意識した授業やオーケストラの授業など多彩であった。ここでのセキュリティチェックも厳しく、来校者は記名、目印としてのシールの貼付が義務づけられている。また、警官が常駐している。 |
| (4)San Joaquin Elementary
School |
ここはサンディの近所に住む知り合いのお子さんが通っている学校である。スペイン系の子供が多く通っている。近所の子供でも違う学校へ行っているのは、教育委員会から許可をもらっているからだという。親が行かせたい学校の定員に余裕があれば可能だということだった。この学校はFoxborough
Elementary Schoolと違い、1つの校舎に教室が集合しており、カフェテリアといくつかの教室がプレハブで建増ししてあった。
この学校では受け付けで名前来校日時を書き、衣服に「VOLUNTEER」のシールを貼って入校した。この学校では日常的に保護者が学校に来ているようではなかった。
2年生の教室を参観した。ここでも、言葉の学習(アルファベットの順番に言葉を並べる、先生が読んだ言葉を書く)や計算の時間を多くとってあった。算数ではお金の計算も重要視されている。低学年では特に、読み書き計算に時間をかけて学習していて、学校生活の大半はこの学習である。また、モジュール制をとっていて、約15分で次の学習へ移る。チャイムはなく、時計を見て行動している。体育も15分だった。外へ出て、バスケットコートを利用して、走ったりドリブルしたり、ボールをパスしたりしてあっという間に終わった。算数では、1枚ずつはぎ取るカラー印刷のワークシートを使っていた。これは学習効果を高めるためで、低学年のうちだけということだった。
次に特殊学級を見学した。約10人の子供たちと3人の先生が一緒に学習していた。学習の内容によってグループ構成を考慮して編成されていた。数字を書く学習では、あとなでをしたあとに自分で書くワークシート、数字に点が書いてあって、それを数えながら足し算をするワークシートなど教材に工夫がされており、子供たちが意欲的に取り組めるように配慮されていた。子供の一人が、私が折った折り紙のかえるに興味を示し、何度も跳ばして喜んでいた。みんなに見せて回り、説明をしていた。さよならのとき、何度も握手をしたのが心に残っている。
再度2年生の教室へ行き、折り紙の折り方を教えた。途中まで逆さになりながらもなんとか折ることができたが、最後の部分は時間の都合で私が仕上げて一人一人に渡した。みんな、嬉しそうに持って帰った。保護者面談の日で、午後の授業を切り上げて下校となった。
教員は7時30分から4時までの勤務で、勤務時間以降、学校に残って仕事をすることがないと、2年担任の教諭から聞いた。 |
| (5)Orange Coast Gakuen |
この学校は私設の学校で国や日本の文部科学省の管轄ではない。そのため、運営は寄付や保護者からの授業料で賄われている。校舎は、休日の高校を借りていた。教科書などの教材も有償である。日本の国語の教科書を使って毎週土曜日の8時45分から12時15分まで、日本語の学習をしている。通っている子供たちは、アメリカ在住の日本人、あるいは両親のどちらかが日本人であり、アメリカに永住する予定の子供たちである。月曜日から金曜日までは公立学校へ通い、日本語は家でしか使わないため、あまり上手に使うことができないということで5年生でも3年上の教科書を使っていた。
クラス分けは能力別になっており、入門から高校3年までのクラスがある。そのため、小学校1年生のクラスでも11才の子が学習しているなど、異年齢の学習集団になっている。入門から、小学6年生までの学習の様子を参観したが、単語の学習、教科書の読み取り、漢字(熟語)の学習、読み聞かせなど、日本と同じ学習をしていた。長音では「う」と書くけど「お」と発音することや同じ「は」でも「ha」と発音したり「wa」と発音したりすることが難しいようであった。言葉を獲得するために、英語に置き換えながら学習していたのが、自分の英語レッスンと重なって見えた。
また、ここでも、保護者がボランティアとして参加していた。1時間ごとのベルを鳴らすこと、実際に指導や課題の確認、予定表の記入など、教員のサポートを積極的に行っていた。担任と保護者で、特に打ち合わせはしていないが、必要だと思うことをし、迷惑だと思うことはしないとのことだった。人数が多いクラスでは、二人が時間を分担して、課題の確認をする時間を確保していた。このサポートによって、4時間を有効に学習に使うことができる、子供の様子がよく分かるという利点を挙げてくださった。一方で、ボランティアに参加する人が決まっていて、しない人はしないという現実も話してくださった。
教員は普段は別の仕事をしていて、土曜日だけの勤務となっている。給与は学園本部からもらっているそうだ。日本語と英語の二つの言語を獲得するために頑張っている子供たちの姿を見て、私も頑張ろうと思った。 |