中学生・高校生が1週間、2週間の短期でホームステイをする意味とは

よくお問い合わせで、

「1週間,2週間のホームステイをして英語が話せるようになりますか?」
「短期留学のホームステイって意味ありますか?」

といったご質問を中学生や高校生から頂きます。

結論からお伝えすると、

1週間、2週間の短期間で英語は話せるようになりませんし、英語力(英会話)が劇的に上達する事もほぼありません。

では、なぜ1,2週間のホームステイを中学生・高校生に勧めるのか?

今回はその理由を私なりにお伝えさせて頂きます。

留学=英語力のアップのイメージが強いですが、短期のホームステイで得られるものは英語力ではありません。

【ホームステイ≠英語力のアップ】

ホームステイで得られるものの多くは、短期的な見方でなく長期的に見て得られるものとなります。つまり、ホームステイをして帰国した翌日に、今までの自分と全く違う自分になっている!!という事ではなく、じわじわ自分の人生に影響を与えてくれるものです。

イメージですと、広い場所に種を植えている感じです。種を植えた時には畑には何もでてきていませんが、時間の経過とその後の経験をしていくうちに、一つ、また、一つと種が芽を出して、花を咲かせます。ホームステイはそんな種を植える作業に似ていると私は思います。(堅苦しい説明ですみません 汗)

では、20年以上、中学生・高校生との短期留学(ホームステイ)に関わらせて頂いた私から、短期留学のメリットを参加者の意見も踏まえてお伝えさせて頂きます。

①日本の当たり前が、世界の当たり前ではない 【自分の物差しが変わる】

ホームステイをすると色々な文化習慣の違いを感じます。日常生活で日本では何も言わなくても、両親や友達が察してくれたり、周りの雰囲気をよんで行動したりすることが多いですが、海外では「雰囲気をよむ」、「察して行動してくれる」という事はありません。

ですからホームステイでも黙っていたら、何も伝わらないですし、何か食べたいものある?と聞かれて「何でもいいです。」は一番嫌がられる返事です。海外では自分の意見を持って、それを伝えるのが基本です。
 
また、洗濯や一つでも毎日洗濯をする家庭が多い日本ですが、ホームステイ先では週に1,2回が一般的です。シャワーも日本のようにお風呂に浸かる習慣はありませんので、30分も1時間もお風呂に入る家庭はありません。だいたい10分~15分くらいが一般的です。
 
生活面だけでもまだまだ日本との違いがありますが、今まで、日本で生活をしてきて、当たり前だと思っている事、それは世界でみたら当たり前ではない事が多いです。そんな世界基準で物事を考えられるようになり、自分の物差しが変わる事で、帰国後によい影響を与えてくれるのも海外生活やホームステイの魅力の一つです。

②自分の生きている世界がどれだけ小さいエリアの世界が知る【自分の視点が変わる】

中高生の場合、普段学校や部活(習い事や塾)などで忙しく、生活エリアも自分の住む地域から大きく出る事も少ないと思います。また、普段接する大人も、両親や先生、習い事や塾のコーチや先生くらいでしょうか。その狭い世界エリアの常識や限られた大人たちの言う事が本当に全て正しいのでしょうか?普段はそんな事すら疑わずに過ごしていると思います。

海外へ行きホームステイをすると、普段日本での生活エリアや大人の考え方が、広い世界から見たら、ほんの一部である事が分かります。そして、イメージしていた世界とリアルな世界(海外)とのギャップや今まで遠い世界だと感じていた場所が、実はそれ程遠くない世界だとも感じます。

逆に、外人しか歩いていない街や英語のみの看板や宣伝広告、見た事のない食べ物や生活習慣の違いに驚く事もあります。海外に出て、外から日本を見る事により、今まで見ていたものが、同じものでも、視点が変わる事で、全く違うものに見えたり感じたりできます。

今、自分に学校や友達関係が合わないと感じていても、それは狭い世界の中の事で、その外に出てみたら、自分にあった学校や友達関係は必ずあります。海外に行く事で、広い視野が手に入る事はもちろん、改めて常識を疑うという視点も手に入ります。

中にいると分かりませんが、外に出た事で自分の人生の捉え方が変わり、人生を大きく変えるきっかけになる事も多々あります。

③誰も助けてくれない環境で自分で行動したという自信【自分への自信と行動力】

日本では当たり前のように家族がいて、何かを特別に意識しなくても、一日が普通に始まり終わっていきます。当たり前のように朝、食事を親御さんが作ってくれ、学校へ行って勉強し、友達と過ごしたり、部活をしたり、帰宅後は塾へ行ったり、習い事をしたり、買い物に出かけたり、ゲームをしたり、SNSや動画を見たり、何の不便も感じずに過ごすことができます

しかし、ホームステイに行ったら全く違います。日本から一人で全く別の環境で生活するのは、とても勇気のいる事です。

まず、日本ではないですので、言葉が違い、その国の文化習慣も違います。そして、いつも当たり前のようにいてくれるご両親もいません。朝起きて、英語で会話をし、日本と違った朝食を食べ、学校へ通う場合は、バスや電車を乗り継いで学校へ行きます。学校でも色々な国の様々な年齢の留学生と過ごします。その後、またバスや電車を乗り継いでステイ先に帰り、ファミリーと一緒に英語で会話しながら夕食を食べる。
 
こんな日本では当たり前で、何も意識しなくても生活できる一日が、ホームステイ中の海外では、色々な壁にぶつかり、時にはホームシックになり、その場から逃げ出したいと感じる事もあります。

日本では当たり前に行っている、バスに乗ったり、電車を乗り継いだりするだけでも、道に迷って人に道を尋ねるだけでも、コンビニで買い物するだけでも、その行動が自分の自信になります。
 
「ホームステイで一人で頑張れたんだから」
「普段、親は色々と助けてくれていたんだ」
「当たり前の事なんてホントないんだな」

その環境で自分一人で生活する事で、帰国後には、その経験が大きな自信となり、その後の人生を豊かにしてくれます。

④言葉が通じない環境で本当の英語を学ぶ意味を知る【何のために英語を勉強しているのか】

日本ではテストや受験の為の英語の勉強が多くなりますが、点数を取るため、受験に受かるための英語はやっぱり楽しくないですよね!?日本人が中学、高校と6年間(最近では小学校でも英語が始まっていて約10年)英語を学んでいるのに、英語を話せる人が圧倒的に少ないのも理由の一つ。

ホームステイをして、初めて言葉が通じないという世界を体感します。多くの中高生が渡航前に自分が思っていたよりも英語が話せないと感じています。

 「何て言っているの?」
 「早いし単語に分かれて聞こえない。。」
 「自分の言いたいことが全然伝えられない」など。

ホームステイをすると必ずぶつかる壁の一つです。

それでも、分からないなりに何日か頑張って会話を続けていると、何となく場面や状況でホストファミリーの言っている事が半分くらい分かるようになり、それに対して伝えたい事も頭に浮かぶようになります。ただ、それを英語で伝える事ができない。。そんな、悔しさやもどかしさで、自分の部屋に閉じこもりたい、部屋を出るのが怖いと感じる方もいます。それでも、部屋に籠らずに、ファミリーと一緒に過ごした経験が、自分の自信になる事はもちろん、帰国後の英語に対する向き合い方を変えてくれます。

 「今度はファミリーに自分の言いたいことをもっと伝えたい」
 「ファミリーが伝えてくれたことをもっと理解で来ていたら、
  もっともっと色々な話ができた」
 「必ず数年後にここに戻ってきたい」など。

この経験が【何のために英語を学ぶのか】はもちろん、【英語が話せると、自分の人生がどれだけ広がるか】を肌で感じる事ができます。


長くなりましたので、簡単にまとめると、

中学生・高校生にホームステイをお勧めする理由は

英語力の向上ではなく、

①【自分の物差しが変わる】
②【自分の視点が変わる】
③【自分への自信と行動力】
④【これから英語を学ぶモチベーション】

という

生きていく上での考え方や物事の捉え方、そして行動力を得る事ができる

からです。

今回は、中学生て高校生向けにお話させて頂きましたが、大学生や社会人の方でもホームステイはお勧めです。きっと同様の体験から得られるものがあると思います。これからの人生で今日が一番若い日です。ホームステイでなくても良いですが、思い切って何かにチャレンジする事にもう遅いはありません。是非、やりたいことがあるならチャレンジして下さい。

読み終えて、少しでも短期留学(ホームステイ)に興味をもったなら、先輩たちのリアルな体験を読んでみて下さい。出発前の不安や滞在中の苦労、感動、そして。。。

ホームステイ体験談

 

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